大判例

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東京高等裁判所 昭和58年(行ケ)14号 判決

一 請求の原因一ないし四は当事者間に争いがない。

二 右の事実によれば、本件発明の特許請求の範囲は請求の原因二記載の内容から同三記載の内容のとおり減縮訂正された。しかるに、審決は同二記載の訂正前の特許請求の範囲に基づいて本件発明の要旨を認定し、これを前提として、本件特許が無効であると判断した。即ち、訂正前の特許請求の範囲がメイン偏角ローラーと材料送り込ローラーからなる自動製材機において、「メイン偏角ローラー或は材料送り込ローラー等の角度を適宜に偏角」するとして、両ローラーのいずれか一方を偏角すれば足りる構成としているため、審決は、右特許請求の範囲が第一及び第二引用例から容易に推考し得る「一対の送りローラーを備えた自動製材機において、材料送り込み用ローラーを適宜に偏角設定して、挽材を自動的に定規に沿つて前進させる自動製材機」を包含するものと判断して本件発明の進歩性を否定した。しかし、訂正後の特許請求の範囲は右の点を「小割挽する場合は……上部の材料送り込みローラーと下部メイン偏角ローラー21を定規19に対して偏角するように形成する」として、小割挽の場合両ローラーを定規に対してともに偏角する構成に訂正されたから、本件発明は出願当初から右のとおり訂正されたものとみなされることとなり、審決は結果的に本件発明の要旨認定を誤つて、前記のとおり第一及び第二引用例と対比判断した違法があるというべきであつて、この違法は審決の結論に影響を及ぼすものである。

被告は訂正後の特許請求の範囲が独立特許性を有しないとして訂正無効の主張をするが、訂正が無効であるというためには訂正を無効とする審決の確定が必要であり、かかる確定審決が未だ存しない以上、右主張はそれ自体失当である。

三 よつて、原告の本訴請求を正当として認容する。

〔編註〕 本件における特許請求範囲は左のとおりである。

訂正審決前の本件特許請求の範囲

メイン偏角ローラーと材料送り込ローラーからなる自動製材機において、メイン偏角ローラー或は材料送り込ローラー等の角度を適宜に偏角して、挽材が自動的に定規に添つて前進されるようになした自動製材機。

訂正審決後の本件特許請求の範囲

上部に角度調整可能な材料送り込みローラーと、下部にも角度調整可能なメイン偏角ローラー21を設け、またベツド5上において、鋸8の形成する挽道線とほぼ平行に定規19を設けてなる自動製材機において、小割挽をする場合は、材料が定規19に沿つて進行するようにするため、上部の材料送り込みローラーと下部メイン偏角ローラー21を定規19に対して偏角するように形成してなるを特徴とする自動製材機。

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